「幸福」の反対は「退屈」だ 【「週4時間」だけ働く】

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私が『「週4時間」だけ働く』という本を読んだのは約2年前ですが、最近この著者の名前を目にしたときに真っ先に思い浮かんだのは「幸福の反対は退屈だ」というものでした。

幸福の定義は人によって異なると思いますが、多くの辞典で共通しているのは「心が満ち足りていること」です。つまり、満足できる時間を過ごせたか、あるいは過ごせているかどうかということとなるでしょう。

私の場合も、振り返ったときに楽しかったと思える時間は、なにかに集中している時間だったことばかりでした。「幸福」と「退屈」が対義語であることは、私の中ではもはや鉄板です。私にとって幸福感を感じる方法は単純で、何かに集中すればよいだけです。

ここで記事を終わりにしようとも思いましたが、あまりにも短すぎるので、この本の概略と個人的な感想を述べておきたいと思います。

この本の概略など

この本の内容はタイトルにもなっているように、週4時間だけ働くための方法が書かれています。600ページを超える大著ですが、税抜きで1900円という驚くべき価格です。翻訳本で自己啓発のジャンルということもあると思いますが、日本の自己啓発の本と比べてもかなり割安です。

内容の中核は、目次にもなっている「定義(Definition)」「捨てる(Elimination)」「自動化(Automation)」「解放(Liberation)」の頭文字を取った「DEAL」です。日本語で「ディール」というと「引き合い」という意味合いが強いですが、英語では「対処」という意味もあるようです。つまり、生産性を落とさずに働く時間を減らすための、固定観念や常識への対処(定義)、不要なものへの対処(捨てる)、やりたくないことへの対処(自動化)、オフィスに行かずに仕事をするための対処(解放)が書かれている本です。

海外の方が書いているせいか「日本の環境では不可能」というレビューも見受けられますが、そもそも人の経験を自分の環境にそのまま適用すること自体に問題があります。このような本の読み方をする人は、おそらくどんな本を読んでも「自分の環境には合わない」と感じ、「本に書かれていることは役に立たない」という結論に達するのでしょう。

この本からも読み取れますが、会社に行かずに仕事をするなんてことが著者の環境でも「非常識」であったことは明らかです。そんな中で「カフェで仕事をしてもいいですか」「うん、いいよ」とはならないです。しっかりと下準備をして結果を残しつつ、上司の常識を少しづつ崩していき、「DEAL」を実践していった結果得られるものです。

これ以外にも、このページのタイトルにもなっている「幸福の反対は退屈だ」という概念の他にも、「アウトプットの80%はインプットの20%に起因する」という比較的有名なパレートの法則や、「仕事の量は、与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というパーキンソンの法則など、仕事に役立つ概念が数多く掲載されています。

余談ですが、他の著者の本の中で、「週4時間だけ働く」の著者である「フェリスは自分が会社を離れて仕事時間を減らしたことで、いくつかの問題が生じ、戻ったときにはそうした問題に対処しなければならなくなったと認めている」(マイケル・マスターソン『大富豪の仕事術』)と書かれていました。

仕事の内容にもよりますが、週4時間というのは現実的ではないのかもしれません。

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