人生を楽しむスパイスはリスク【マネーの公理】

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このブログの中で「私は投機をしない」と何度か書いてきましたが、最近はテクニカル分析やトレードの本ばかり読んでいますw。その中で私の考え方に大きな影響を与えた「マネーの公理」について書いてみたいと思います。

この本は「チューリッヒの公理」と呼ばれる12の公理について書かれています。トレードの具体的な話ではなく、考え方を学ぶ本です。このページでは、私が読んだときにマーキングした箇所を引用し、それについてダラダラと書いていきます。

「人生を生きる賢明な方法はリスクを回避することではなく、自らをあえてリスクにさらすことであるという結論に達した」(Kindle 位置No.127)

赤ちゃんは珍しいもの、見たことのないものに強い興味を持ちます。これは生まれつき持っている能力だと思うので、大人でも同じはずです。ただ、さまざまなことを経験するうちに、見たことのないものが自分にとって良いものであるか悪いものであるかという印象は、個々人によって別れていきます。

見たことのないものに興味を持つのは、不用意に近づかないようにリスクを回避するためであったり、この新しいものが自分にとって便利なものになるかもしれないという期待があるためという考え方ができます。若いときは期待の方が大きいため、どんどんリスクをとっていきますが、年齢を重ねるにつれて、手に入れたものを失いたくないという思いからリスク回避的になります。

この本を読みながら自分の過去を振り返ってみると、自分をリスクにさらしていたときのほうが圧倒的に楽しかった記憶があります。自分の命とか全財産をかけるようなそんな絶望的なリスクではなく、新しいことを始めてみるとか自分の限界にチャレンジするとか、そういうリスクです。実物を見ないでインターネットで物を買うのもある意味リスクです。失敗もありますが、普段の生活に新しいものが入ってくることはワクワク感があります。

人生を楽しんでいる人は、適度に自分をリスクにさらしているように見えます。常に新しいことにチャレンジしていたり、自分の限界にチャレンジしたり。

最近よく思うのは、リスクのない生活ほどつまらないものはないということです。

「一ダースもの籠を見守るより、一つか二つ、あるいは三つの籠を見守るほうがよっぽど簡単である」(Kindle 位置No.572)

分散投資は良いが、分散しすぎるとすべてを監視するのが難しくなるので逆に危険であるということです。他の本にも書いてあるので珍しい考え方ではないと思います。

どの本か忘れましたが、世界長者番付に載る人たちは集中投資によって資産を築いてきたとありました。その中で名前を聞いたことがある人のほとんどは起業家や経営者です。自分の会社を成功させて資産を増やしたということです。

大雑把に分けると、お金を稼ぐ方法は時間を使うかお金を使うかしかありません。長者番付に載る人達はおそらく、お金と時間の両方を一つのことに注ぎ込んできたのだと思いますが、それは0か100かの二分法的なものではなかったと思います。一度にすべてを注ぎ込むのではなく、失敗をしてもまたやり直せるような投資をしていたのではないかと思います。

ただ、お金だけを使って時間を使いたくないという人は、籠をたくさん用意したほうが良いのかもしれません。

「常に少額を賭け、素早く降りる。強欲に支配されてはいけない。適当な利益が出たら、現金に換えて、立ち去るのだ」(Kindle 位置No.653)

損小利大の概念に反するようにも思えますが、「適当な利益」が「十分な利益」だと考えると、「十分な利益が出ているのにズルズルと引っ張るな」と解釈することもできます。

私が重要だと思った部分は「常に少額を賭け」というところです。勝てるようになると金額を増やして一気に資金を増やしたいと思ってしまいますが、この方法を取るとおそらくマーケットから退場することになると思います。しっかりと損切りすることができれば問題はないのかもしれませんが、一気に増やそうとして焦っていると正常な判断ができなくなるように思います。

投機に興味を持ち始めた理由

投機について調べていった結果、私の中で投資と投機の違いが非常に曖昧なものになったことが最初のきっかけでした。世の中にある多くのものごとに明確な境界線を引くことが難しいのと同じように、投資と投機に明確な境界線を引くことが困難であることは最初からわかってはいました。

一般的に、投機は「短期間での価格変動の差益を狙う売買取引」と定義され、投資は投機との対比で長期的なものとして捉えられています。しかし、投資と投機は期間という1次元だけで表せるものではなく、もっと異質なものとして捉えたほうが良いのではないか、などと考えたりもしました。

そもそもなぜ「投資なのか?投機なのか?」にこだわっているのかを考えたときに、無意識のうちに「投資は善、投機は悪」という固定観念を自分が持っているのだと気がつきました。投資も投機も「お金を増やすための手段のひとつ」とシンプルに捉えてみると非常にクリアになり、投機に対する偏見も消えた気がします。

というのが理由のひとつで、これ以外にも経済の悪化によって広告収入が減ったことや、新しくウェブサイトを作る気力がないことなどから、新しい収入源を探す必要があったこともあります。

長期投資は今後も続けていくつもりですが、今は資金が少なすぎて数名柄を購入しただけでなにもすることがなくなってつまらないので、短期の売買も少しずつ始めています。

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