投資と投機(トレード)の考え方の違い【デイトレード】

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私は性格的に合わないので、投機はしていません。ただ、投資のおすすめ本として紹介されていることが多いので、読んでみようかなと思い『デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術』をKindle版で購入しました。

読んだ感想としては、読む前から何となくはわかっていましたが、投資と投機は真逆のアプローチが必要になることが結構あるということを改めて感じました。逆に似ている部分もあったので、そのあたりは勉強になりました。

本書の中でも書かれていますが、デイトレーディングは投資ではないということです。ではなぜ投資のおすすめ本として紹介されているのかということを私なりに解釈すると、まずは反面教師的に学べるということです。この本では、投資では当たり前と考えられていることをデイトレードに持ち込んではいけないということが何度か出てきます。裏を返せば、デイトレードの考え方を投資に持ち込んではいけないということでもあります。投資と投機の違いを学ぶことによって、自分が今何をしているのかをハッキリと認識することができるようになるわけです。

投資と投機の違いを理解した上で投資本として紹介されている方もいますが、中には「おすすめの投資本」となっているにも関わらず、デイトレードの本ばかり紹介している人もいます。本当に読んだのかな?と疑問に思ってしまいます。もちろん解釈の仕方は人それぞれですし、そうした方がアクセス数が増えるという理由もあるのかもしれませんが…。

この本を読んで面白いと思ったのは、トレードでの問題解決の考え方は、人生で起こる問題にそのまま当てはめることができそうだということです。抽象化してしまえば、問題解決の方法はどれも同じでシンプルだということです。複雑に見えるのは感情のせいですね。

ちなみにこのページでは、投機とトレードを同じ意味で用いています。

「すべてのトレーダーは何がトレーディングで何がギャンブルかを認識しなければならない」(Kindle 位置No.980)

ギャンブルはドキドキやワクワクといった興奮を味わうためのもので、決して資産を増やしたりお金を儲けたりする方法ではなく、娯楽です。

私の認識では、ギャンブルで勝つ確率は50%を下回りますが、トレーディングの場合は適切な方法を取れば50%を大きく上回ります(この場合の勝つとは、回数ではなく金額がプラスになることです)。

ギャンブルは感情に任せて判断し、短期間に大きな利益を得ようとしますが、トレーディングは予め決められたルールに則って判断し、小さいが確実な利益をコツコツ稼いでいきます。これが、私がこの本から得たトレーディングとギャンブルのざっくりとした違いです。

『このゲームを掌握している者は「そのニュースはどういう意味なのだろうか?」とは決して聞かない。彼らは「このニュースに対する人々の反応はどのようなものだろうか?」と聞くのだ』(Kindle 位置No.1327)

投資の場合は、その企業のこれまでの業績や将来の業績を重視しますが、トレードを行う場合は企業の業績そのものはあまり役に立ちません。長期で見ると業績と株価はある程度相関すると思いますが、短期の場合はバラバラです。

トレードでは業績そのものよりも、ニュースを見た他のトレーダーがどう反応するかを考えることによって、利益に差が出てくると言います。

「プロの指標は唯一つしか存在せず、それは少額の損失である」(Kindle 位置No.2030)

予め決められたルールで損切りできているかということですね。ルール通りに損切りできないから損失が大きくなるわけです。そのルール通りにトレードを繰り返さないと、ルールそのものを改善することもできませんから。

「トレーダーが自分の心理的な性質に合わない取引スタイルに無理やり自分を合わせようとするならば、結果は惨憺たるものとなるだろう」(Kindle 位置No.2945)

これはトレーディングに限らず、さまざまな仕事に当てはまりそうです。ただ、組織の中にいるとそうも言ってられませんが…。自分のやり方にあまりこだわりをもたない人のほうが、日本の組織には向いているような気もします。自分のやり方と合わない方法を組織に押し付けられることによって悲劇が起こるわけですから。

私は市場が開いている間、ずーっとモニターの前で株価を見ているようなことはしたくないし、他の仕事をするにしても、常に株価を気にしなければならないようなやり方はしたくありません。私は短期の売買はしないと決めていて、含み損を抱えていても平気で何ヶ月も保有し続けられます(株価が下がった理由にもよりますが…)。これが合理的かどうかは別として、他にもやりたいことがたくさんあるので、あまり時間がかからない方法を選んでいます。

「安値で買って高値で売る手法はデイトレードには向かない」(Kindle 位置No.3897)

安値というよりは下落途上にある銘柄を買うことが問題であるようです。どちらにせよ、短期のトレードの場合は株価の水準よりも方向性の方が重要になるようです。投資におけるグレアムの「安全なマージン」という考え方とは異なりますね。

「あまりにも多くのトレーダーがマーケット全体とその方向性に力点を置き過ぎている」(Kindle 位置No.4039)

これはトレードに限らず、長期投資でも同じです。重視すべきはマーケット全体の方向性ではなく、個別の銘柄です。

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