競争優位性とはなにか【千年投資の公理】

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株式投資に関するブログを読んでいるとたまに出てくる「千年投資の公理」という本。Kindle版だと安かったので一度読んでみようと思い購入しました。

全体的な感想としては、マイケル・ポーターの「競争の戦略」や「競争優位の戦略」の中で描かれている競争優位性の具体的な事例を挙げた本というふうに感じられました。ポーターの本や経営戦略論の本を読んだことがある人なら、新しい発見はないかもしれません。本書の核となる概念である「堀」は、ミクロ経済学の一分野である産業組織論や、経営戦略論などで用いられる「参入障壁」や「移動障壁」あるいは「模倣困難性」などの概念をひとまとめにしたものです。

ただ、本書の後半では株式投資の本にしか書かれていないような内容になっているので、それだけでも読む価値はあるかもしれません。

行動計画

本書の「序文 行動計画」では、投資家がとるべき戦略を非常にシンプルな形で示しています。

  1. 長期間にわたって平均以上の利益を上げることができる企業を探す
  2. その企業の株価が本質的価値より安くなるまで待ってから買う
  3. 企業価値が低下するか、株価が割高になるか、さらに優れた投資先が見つかるまで、その銘柄を保有する。保有期間は、月単位というよりも年単位で考える
  4. この手順を必要に応じて繰り返す
Kindle 位置No.146

本書の内容は主に1について書かれていますが、後半部分では2、3についても触れられています。

2については、ベンジャミン・グレアムの「賢明なる投資家」などで書かれているようなバリュー投資の基本中の基本です。1と3については、フィリップ・フィッシャーの「株式投資で普通でない利益を得る」で書かれていることと共通点が多いように感じました。

結局の所、1について判断するには、その事業や業界についてかなりの知識が必要になるため、多くの投資家はここでつまずきます。2については我慢できずに購入してしまうか、過去の株価やPERで判断してしまうし(私は今でもそうw)、3については、株価が下がって「損切りだ!」といって売ってしまう。私にはそんなふうに見えています。

本書の中でも、この戦略を採用しているマネーマネジャーはそう多くないと書かれています。

株を買ったときの理由を書き留めておく

その株を買う明確な理由がない限り買うべきではないことは言うまでもないことですが、株を買ったときの理由は数年も経つと忘れてしまったり記憶が書き換えられたりします。

他の本でも書かれていたような気がしますが、本書では株を買ったときの理由や期待する決算結果を書き留めておき、業績が悪化したときの判断材料にすることを進めています。

私はこの文章を読んで「忘れてた!」と思い、すぐに購入理由をメモし始めましたw。

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