【あなたの中の異常心理】Part1 自分を知ることで生きやすくなる

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『あなたの中の異常心理』というタイトルからも分かるように、異常心理に関する本です。異常心理の本をそれほどたくさん読んできたわけではありませんが、一般向けの本としては、私が読んだ中では一番の良書です。

私の中の完璧主義

私はこの本を読んで、自分が完璧主義であることを知りました。私のことを見て書いたのではないかと思えるほど、言い当てられていたのです。

私がぼんやりと感じていたことを、文章として読むことで具体的に認識できるようになったと言ったほうが正しいのかもしれません。自分の性格に「完璧主義」という名前がついたことで、これまで「なぜ?」と感じていたことがひとつひとつ紐解かれていくようでした。

私が読んだ限りでは、完璧主義にもその度合かあるいは種類によって表れてくる思考パターンは異なるように思いました。本書の中で「妥協や曖昧さを受け入れられない」という項目がありますが、これは私には当てはまらないかも、と当時は思っていました。しかし、今この文章を書いていて曖昧さを受け入れられた事例を思い出しているときに気がついたのは、このようなことを考えていることが曖昧さを受け入れられていない証拠なのではないかというものですw。

どちらにしても、私が完璧主義であることを私に知らしめたのは、第1章の1ページ目にある「完璧主義は、あらかじめ期待していたことを、その通りに行わないと、すべてが台無しになったような失望や苦痛を感じる心理的なとらわれだと言える。」という一文です。このとき、過去の様々な出来事が思い出され、まるでミステリーの伏線が回収されていくかのような感覚でした。

完璧主義の傾向があることを自覚したあとは、比較的生きやすくなりました。計画通りに物事が進まなくても「そのときにまた考えればいい」「計画を立て直せばいい」と自分に言い聞かせることで、気持ちに余裕ができました。また、本書の中で「完璧主義は、うまく機能しているときには、優れた向上心や高いパフォーマンスの原動力となり、実際、完璧主義の持ち主は、学業においても、職業や家事、子育てといったことにおいても、すばらしい成果を収めているケースが多い。」という一文もあり、これも私にとっては救いとなりました。

不完全な完璧主義者

私がこれまで、大きな精神疾患にもならず(と思っていますw)生きてこられたのは、「誰が見ても完璧なものというのは存在しない」という論理的な帰結と、「完璧なものほどつまらないものはない」という考え方をもっていたからだと思います。これは今でも「物事は捉え方によって良くも悪くもなる」という一般化した形で私の中に残っています。

それともう一つ、私は「頭の中で完成形が思い描ければ、それで満足できる」ということです。RPGのゲームなどでクリア後の要素として、隠しダンジョンや最強の武器集めがあったり、レベル99まで上げたりといったことがありますが、私はこれらをすべて終えた状態が想像できてしまうとまったくやる気がなくなります。他の人とは違う形であるにせよ、私は完璧を具現化させることを途中で放棄しているのです。

これらのことを考えると、私の完璧主義は不完全なものであったといえます。だからこそ、うまい具合にバランスを取れていたのかもしれません。

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