株に対する考え方(私の)

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昔の私は「株の売買」といえば、金持ちの道楽かギャンブルの一種というイメージをもっていました。しかし、経済学を勉強し、ほぼ毎日経済ニュースをみるようになってから、このイメージはだいぶ変わりました。ただし、ギャンブルの一種というイメージは、今でも部分的には正しかったと思っています。

この記事は、私が私になりに理解していることを書いているので、もしかしたら間違っていることもあるかもしれませんので、予めご了承ください。素人の戯言だと思って読んでいただければ幸いですw。

株を買うとは?

株の取引の仕組みや株の役割とかから説明するのはかなり難儀な作業になるので、株を購入するとはどういうことなのかについての基本的なことだけを見ていきたいと思います。

まず、株を購入する(株主になる)ということは、その企業の出資者になるということで、出資者になるということはその企業の所有者のひとりになるということです。

株主は基本的には議決権をもっており、株式会社の最高意思決定機関である株主総会に出席し、さまざまな最重要議題の討議・決定ができます。ただし、議決権のない株もあります。

株主は株主総会に必ず出席しなければならないわけではありませんし、送られてくるハガキで議案の賛否を意思表示することもできます。また、株主総会が形だけのものになっていたり、出資者や所有者ということを意識していない株主もたくさんいるとは思いますが、株を購入するというのは形式的にはこのような感じです。

株で利益を得る仕組み

株で直接利益を得る方法は2つしかありません。ひとつはその企業がだしている配当金を受け取ること、もう一つは購入時の株価と売却時の株価の差で利益を得ることです。例外として、お金ではなく株主優待という物や商品券などをだしている企業もありますが、話がややこしくなるのでこれは外します。

配当金は、企業が稼いだ利益の何割かを株主に還元するものです。金額や割合などは基本的にはその企業が決めるものなので(定款による)、企業によってまちまちです。中には配当金をだしていない企業もありますし、配当金の金額がその企業の利益を超えている場合もありますw。

一方、株の価格差で得られる利益ですが、このお金は一体どこから出てくるのでしょうか。理屈では簡単で、安く買って高く売れば利益が出るし、高く買って安く売れば損失が出ます。ただし、株は実態のある住宅や自動車などの資産と違い、時間経過や使用による劣化がありません。なぜ株価が変動するのかを考えてみると、ひとつは企業の業績によるものと考えられます。業績が良ければ配当金がたくさん出ますから、その株を欲しがる人が増え株価は上昇します。また、株価の上昇・下落を先読みして株を売買しているともいえます。この業績に対する期待や不安あるいは失望といった人の感情が株価を変動させていると考えることができます。

株の価格差による損益は、期間が十分に長い場合には、市場全体ですべて足し合わせるとゼロに近いはずです(実際にどうなのかはわかりませんが、感覚的にはそう思えます)。もしそうだとすると、市場全体で考えた場合、株を売買する人たちに利益をもたらしているのは配当金だけということになります。

株の価格差で利益を得るというのは、ひとつのパイを奪い合うゼロサムゲームなのかもしれません。ただし、株の売買は通常証券会社を通さなければならず、手数料が発生します。市場全体から手数料を除けば、ゼロではなくマイナスになります。つまり、既にかじられたパイを奪い合っているわけですねw。

まとめると、市場全体が生み出している本質的な利益は配当金で、株の売買による損益は証券会社を通してお金が移動しているだけとなります。

投機と投資を区別する

株で利益を得る考え方として、投機と投資があります。投機は短期的な価格変動によって利益を得ようとするもので、投資はその企業が行う事業の将来性にお金を出すことです。

世界で最も有名な投資家ともいえるウォーレン・バフェットという人がいますが、その師として知られるベンジャミン・グレアムの定義は以下のようになっています。

「投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、かつ適性な収益を得るような行動を指す。そしてこの条件を満たさない売買を、投機的行動であるという。」

ベンジャミン・グレアム 他『新賢明なる投資家 上』パンローリング(2005)

「株の価格差によって利益を得る=投機」ではありませんが、投機の場合は事業そのものの分析や企業の独自性などについての分析は行われません。

このページの冒頭で「ギャンブルの一種というイメージは、今でも部分的には正しかったと思っています」と書きましたが、この投機的な側面が私にそう思わせているわけです。

私がそうだったように、多くの人がこの投機的な側面だけを「株の売買」としてみているのではないかと思いますが、実際には投資という方法もあるわけです。

私なりに調べただけなので明確な根拠があるわけではありませんが、おそらく、投機によって市場全体の平均を上回る利益を長期的に維持することは、株や証券取引に詳しい人でもごくわずかしかいないと思います。もしそうだとすれば、私のような素人が利益を出し続けることは不可能に近いでしょうw。

もちろん投機を否定するつもりはありませんが、余ったお金で楽しむという趣味的なものとして考えたほうがいいのではないかと思います。

株で儲けるという考えは捨てる

「株で儲けよう」的な本はほとんど読んでいませんが、節税やお金に関する本はいくつか読んでいます。その中で学んだことのひとつに、「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の制度が非常に優れているものだということです。これらでできることはほとんど投資信託ですが、積み立てていき長期保有するという考え方は株にもそのまま応用できます。

「株で儲ける」という考えではなく、年間利回り数%で資産を増やしていくという考え方のほうが、結果的にうまくいくのではないかと思います。

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