【ZEN DAC】高コスパのヘッドホンアンプを買ってみた

今回購入したのは iFi audio の「ZEN DAC」です。DACを内蔵しているアンプです。
DACもアンプも買ったことがないので、購入前は私のような素人でも音の変化が確認できるのか不安でしたが、実際に使ってみると私でもわかるほど変わりました。しかもヘッドホンによって音の変わり方が違うので、いろいろと聴き比べていくのが楽しいです。これは買ってよかったです。
因みに「DAC」とは「Digital Analog Converter」の略で、デジタルデータをアナログに変換するものです。詳しい説明は他のサイトを見ていただきたいのですが、この変換をパソコンの外で行うことで、ノイズが減り音が良くなるらしいです。
購入までの経緯
4ヶ月前にSHUREの「AONIC 50」というワイヤレスヘッドホンを購入し、音質も気に入って使っていました。ただし、AONIC 50 はボーカルの音が強調され楽器の音が小さめに聞こえるので、それまで使っていたゼンハイザーのHD599も併用していました。しかし、AONIC 50 と比較すると音がこもっているように聞こえるのが悩みでした。
いろいろと考えた結果、モニターヘッドホンであるゼンハイザーの「HD600」をそのうち購入するという前提で、とりあえずアンプだけ買うことに決めました(HD600はパソコン直挿しだと性能を発揮できない)。そして価格が安くて評判の良い ZEN DAC を購入することに決めました。
これでHD599の音が良くなればいいなぁというのと、最悪でもHD600用に使えるので無駄にはならないという考え方です。
ゼンハイザーのワイヤレスヘッドホンである「Momentum 4 Wireless」が近々発売されるという話があり先にそちらを購入する予定なので、HD600の購入はもっとあとになるとは思いますが・・・。
開封

「iFi audio」はイギリスのハイエンド・オーディオメーカーの低価格帯のブランドらしいのですが、パッケージのデザインが中華っぽく見えるのは私だけ?

開けるとこんな感じ。右の箱にケーブル類が入っています。

なんか中華っぽいんだよな・・・。

中身を全部出しました。
ケーブルはRCAケーブルと、USBのA to B ケーブル、それと3.5mmから6.3mmの変換ブラグです。

見た目は高級感もありつつ遊び心のある形状という感じでしょうか。周りの黒っぽい部分は横から見ると黒ですが、真上から見るとグレーに緑を混ぜたような色に見えます。
真ん中のボリュームのつまみは硬すぎず柔らかすぎずという感じで悪くないです。ただ、左にある2つのボタンはガタガタしていて安っぽい感じです。他の箇所はガタツキもなく、面取りも綺麗にされているのに、なぜここだけオモチャみたいになっているのかよくわかりません。

背面です。ガタツキもなくしっかりしています。

USB A to B のケーブルも一緒に買っておきました。ZEN DAC にも付属されているのですが、ケーブルが短いのと壊れやすいらしいということで、エレコムのオーディオ用のケーブルを買いました。

どうでもいいけど、青と金って意外と合うんですね。
使ってみた
とりあえず音を聞いてみようということで使ってみましたが、まず気になったのがパソコン側で音量調節できないことです。原理的なことを考えれば当然なのかもしれませんが、いつもキーボードで音量調節していたのでかなり不便です。ただし、アプリでの音量調節はなぜか反映されます。
ZEN DACには「POWER MATCH」と「TRUEBASS」という2つのボタンがあり、実際に使ってみると、POWER MATCH は音量が上がるだけっぽいです。インピーダンスの高いヘッドホンを使ったときにボリュームが足りない場合に使うらしいです。HD599では使う必要はなさそうです。
TRUEBASS をオンにすると低音域が持ち上がり強めになります。私は低音が強すぎるのがあまり好きではないのでほとんどオフにしていますが、低音強めが好きな人には良い機能だと思います。
以下で各ヘッドホンで聴いたときの変化を書いていますが、音源はCDをパソコンに取り込んだものと、アマゾンのプライム会員が無料で聴ける音源だけなので、ハイレゾ音源は含まれていません。
ゼンハイザー「HD599」
ゼンハイザーのHD599で聴いてみました。因みに6.3mmのアンバランス接続です。
まず気がついたのが、低音域のモワッとした感じがなくなって少しタイトになっていることです。荒々しい感じが上品になったという印象です。
あと、ボーカルの高音部分の「ファーーー」という感じ(ブラウン管テレビを付けたときのようなキーーーンという感覚)が少なくなっています。今まではこれがあったのであまり音量を上げられなかったのですが、音量を上げてもまともに聴けるようになりました。そして音量を上げるとボーカルの声がクリアに聞こえることに気が付きました。
これ以外だと、静かな曲でのアコースティックギターやピアノの音の響き方がかなりリアルに聞こえます。奥行き感というか余韻がすごいです。
SHURE「AONIC 50」
SHUREの AONIC 50 は有線でも使えるので、こちらも6.3mmで試してみました。
タイトな低音はそのままで、楽器の音が全体的に持ち上がる感じがします。AONIC 50 はボーカルの音が強めに出る感じだったので、この変化にはちょっと驚きました。
ただ、ZEN DAC をつないだHD599と比較すると、音量を上げたときの高音部分のシャリシャリ感が気になります。ZEN DAC をつないだことでだいぶマシにはなっていますが、ヘッドホンの特性上どうしても残ります。
AONIC 50 は、音量が小さめのときは輪郭がくっきりしているので綺麗に聞こえますが、音量を上げると中高音域が強いのが原因でちょっと聞き疲れする感じがします。HD599は逆に音量が小さいときは音がこもって聞こえ、音量を上げるとクリアに聞こえます。それぞれ特性が違うのが面白いです(ZEN DAC は関係ないですがw)。
あとがき
購入前にレビューなどをかなり読みましたが、「フィルムを剥がした感じ」とか「アクリル板越しに聴いていて、そのアクリルを取っ払った感じ」という表現はかなり的確であるように思います。
ただ、1週間程経ってから改めて ZEN DAC ありとなしで聴き比べてみると、最初に聴いたときほどの違いは感じられませんでした。もしかしたら先入観もあったのかもしれません。とはいえ、音量を上げれば違いはしっかりと確認できます。
もっと高いアンプやヘッドホンであれば、音に大きな違いがでるのかもしれませんが、2、3万円のヘッドホンの場合は過度に期待しないほうが良いかもしれません。違うヘッドホンを買ったほうが音の違いは大きいです。
それでも、HD599が満足できる音で聴けるようになったので、ZEN DAC は買ってよかったと思っています。