私が求めていた音。理想のヘッドホン【ゼンハイザー HD600】

とうとう買ってしまいました。ゼンハイザーの「HD600」。数年前までは何万円もするヘッドホンを買うなんて思ってもみませんでした。
近くに試聴できるところがないので(あっても行かないと思いますが・・・)、レビューを見まくって音のイメージをはっきりと作り上げてからの購入になりました。
結論から言うと、音質は素晴らしいの一言です。これが私にとっての終着点のひとつなんだろうなと思います(これ以上音質が良くなってもわからないと思う)。
※HD600 のレビューが見たい方は「購入までの経緯」は飛ばしてください。
購入までの経緯
ゼンハイザー|HD599
ヘッドホンにハマりだしたきっかけは、ゼンハイザーの「HD599」を購入したことです。それまでは5000円くらいのヘッドホンを使用していて特に不満はありませんでしたが、HD599で聴いてみて、音が非常にクリアで、それぞれの楽器の音が分離して聞こえ、奥行き感があり、中音域がしっかりと鳴っていることに驚きと感動がありました。
SHURE|AONIC 50
それから1年くらい使い続けたあと、音楽を聴く以外の用途も非常に多かったので、ワイヤレスヘッドホンとしてSHUREの「AONIC 50」を購入しました。解像度が高く、低音控えめでボーカルが非常に綺麗に聞こえるヘッドホンです。
レビューなどを見ると AONIC 50 はモニターライクな音らしくて、そこからモニターヘッドホンに興味を持ち始めました。
最近はメタルやハードロックばかり聴いていますが、低音が強いヘッドホンはあまり好きではないので、この AONIC 50 のタイトな低音を気に入って、モニターヘッドホンのレビューを見まくりました。
iFi Audio|ZEN DAC
私はボーカルの声よりも楽器の音を聴くのが好きなので、レビューを参考に価格とも相談して、ゼンハイザーの「HD600」を購入することに決めました。
ただ、HD600 はインピーダンスが高く、アンプを通さないと十分な音量が出ないらしいので、アンプも検討することに。低価格で評判の良い iFi Audio の「ZEN DAC」に決めました。アンプを内蔵している DAC ですね。
そんなこんなで、AONIC 50 購入から約4ヶ月後、購入しようとしている ZEN DAC が値上げされることと、ゼンハイザーの「MOMENTUM 4 Wireless」(以下 MOMENTUM 4)が発売されることが発表されパニックに。
MOMENTUM シリーズはモニターヘッドホンではありませんが、ノイキャンヘッドホン最強音質と呼ばれているヘッドホンがどんなものなのか聴いてみたくて、新モデルが発売されたら買ってみようと思っていました。
しかし、MOMENTUM 4 の発売日が未定だったことと、ZEN DAC の値上げが決まっていること、使用しているHD599の音質に不満が出てきたことから、とりあえず ZEN DAC を購入しました。
ZEN DAC に HD599 をつなぐと、低音がタイトになりアタック感が増して、高音域がクリアになり、音量を上げても高音がキンキンしなくなりました。HD599 の低音のモワッとした感じや、ボーカルの声がこもって聞こえる感じがかなり解消され、だいぶ満足しました。
ゼンハイザー|MOMENTUM 4 Wireless
その後、すぐに MOMENTUM 4 が発売されたので購入しました。前作を聴いたことがないので比較はできませんが、ワイヤレスとは思えないほど低ノイズで解像度が高く、密閉型とは思えない奥行き感、そして低音の表現力の高さなど、様々な凄さを体験しました。
正直「5万円って高いな」と思っていましたが、実際に聴いて見ると「5万円でも安いかも」と思えるほどでした。
ゼンハイザー|HD600
「なんでゼンハイザーばっかりなの?」って思うかもしれませんが、私も思いましたw
実際に試聴したわけではありませんが、この価格帯の他の開放型のモニターヘッドホンは、レビューなどを見てボーカルに焦点が当てられているのかなという私の勝手なイメージがあり、HD600 は全体的にフラットなのかなというイメージがありました。
実際にSHURE の AONIC 50 は中高音域が強めだったので、あまり冒険したくないという理由からもゼンハイザーを選んだわけです。
HD600 の発売は1997年なので、普通なら新しいHD660Sを選ぶのかもしれませんが、HD600 よりも低音が強めというレビューがいくつかあったので、価格の安い HD600 にしました。単純に25年も前に発売されて今も生産されているものがどんな音なのか興味もありました。
開封

ちょっと安っぽい箱です。HD599 も MOMENTUM 4 ももっと高級感のある箱でしたが、業務用的な位置づけ何でしょうか。使い捨てっぽいです。
飾っておきたいので、もう少し質感の良い箱にしてほしかった。

HD599 のように、スポンジみたいなものに埋まっているのを想像していましたが、ビニールに包まれている本体が紙の上に乗っているだけです。環境を配慮したものなんでしょうか。

中身はこれだけ。プラグは6.3mmですが、先端部分を外すと3.5mmになります。
本体は思っているよりも軽いです。HD599 は 250g、HD600 は 254g らしいのですが、HD599 より軽く感じます。
色は箱の写真だと青っぽく見えていますが、全然青ではなく黒に近いグレーです。

ハウジング部はスケスケです。写真よりもだいぶかっこよく見えます。
ヘッドバンドはプラスチックで、頭に当たる部分はスポンジみたいな柔らかいものがついています。レザー調のビニールみたいな素材だとボロボロになるので、このプラスチックのヘッドバンドは本当にありがたいです。

長さ調節部分を引っ張ると、金属の薄い板が出てきました。強度は大丈夫か?って言うくらい薄いですが、結構頑丈そうです。
段階的にガチャッ、ガチャッとなりますが、めちゃくちゃ硬いです。柔らかいよりは全然良いですが、まじで硬い。使っていけばもう少し柔らかくなるとは思いますが、自分ひとりで使う分には硬いほうが位置がずれなくて良いのかも。
使ってみた
装着感
とりあえず側圧が強いです。私が今まで購入してきたヘッドホンの中でダントツに側圧が強いです。ただ、イヤーパッドが柔らかいので1分もつけていると気にならなくなります。
側圧が強いからだと思いますが、HD599より軽く感じるし、安定感もあります。
音量について
最初に「インピーダンスの高いヘッドホンはアンプを通さないと音量が足りない」と言われていることについて少しだけ。Mac mini(2018)に直挿ししたときと ZEN DAC につないだときの比較です。
ミュージックアプリの音量MAX(私はいつもMAXにしている)で、Mac mini 直挿しだと Mac の音量6割くらいで丁度いい感じで、ZEN DAC だと5割くらいで丁度いいです。試しに iPhone6 にもつないで見ましたが、こちらも音量5〜6割くらいでちょうどいい感じです。
確かに HD599 より音量を上げないと丁度いいレベルにはならないですが、アンプを通さないと「音量が出ない」とか「音量が足りない」というほどではないです。他の方はもっと大音量で聴いているんでしょうか?
調べてみると、音量はインピーダンスの他に感度も関係してくるらしいです。感度が高いと大きな音量がでるのですが、HD600 の感度は97dBとなっているので、特に高いわけでもないです。よくわからん。
因みに、Mac の音量5〜6割って MOMENTUM 4 や AONIC 50 を Bluetooth でつないだときと同じです(一応書いておきますが「私の環境では」という話です)。
ZEN DAC は「POWER MATCH」というブースト機能があるので余裕があるのは間違いないですが、音質無視で音量だけを考えれば、直挿しでも普通に使えます。
ただし、個々人の耳の「感度」の違いもありますので、参考程度に考えてください。
音質
大したことは書けませんが、音質も Mac mini(2018)に直挿ししたときと ZEN DAC につないだときの比較からします。
ZEN DAC につないだときの変化は HD599 と同じ傾向で、低音がタイトになりアタック感が増し、全体的に解像度が上がったのかな?という感じです。一番わかりやすい変化は、音量を上げたときに高音域がキンキンしなくなることです。
これは開封直後に数分聴いただけの感想なので、もう少しちゃんと聞けばまた違うのかもしれませんが、とりあえずはそんな感じです。
ここからは HD600 の音質の感想です。
第一印象は「低音が思っていたよりも出ている」「解像度が高い」「開放感がすごい」です。
まず低音が想像していたよりも出ていて「おかしいな」と思いました(イメージと違ったから)。ただ、HD599 で聴き直してみると、HD599の低音の強さにびっくりしました。強いというか低音が広がってて迫力みたいなものがあります。一方で HD600 はめちゃくちゃタイトで他の音域を邪魔しない音ですが、力強く鳴っているという感じです。特にベースの音の分離感がすごいです。
私の持っているヘッドホンの中では、低音は AONIC 50 がかなり近い音をしています。
解像度はかなり高く、特に左右のギターの音がくっきりしていて、聴いていて楽しいです。高音域もシャリシャリしていないので聞きやすいです。
HD599 よりも開放的というか、音のだだ漏れがすごいです。スピーカーとして使えるんじゃないかというレベルですw
ライブ音源などはスピーカーで聴いているような感覚になることがあります。また、動画内の音をリアルの部屋の中で鳴っている音と錯覚することが何度もあり、奥行き感もすごいし、ヘッドホンを付けていることを忘れるくらい開放感がすごいです。
MOMENTUM 4 と比較すると、HD600 はやや無機質な感じがします。解像度が高いことと関係しているのかもしれませんが、温かみのある音というよりは冷たい感じです。
タイトな低音で解像度が高くフラットな音。私が求めていた音です。
まとめ
- 箱が安っぽくて、使い捨て感がある
- 手で持っても頭につけても軽い
- 側圧が強いけどイヤーパッドが柔らかいので意外と平気
- アンプ無しでも音質を無視すれば普通に聞ける
- 低音はタイトだけど力強い
- 解像度が非常に高い
- 開放感がすごい
- 無機質で冷たい感じの音
- 私が求めていた音
おわりに
今年に入ってヘッドホン3つと ZEN DAC 合わせて15万円も使っています。高いか低いかは人それぞれですが、求めていた音が手に入ったということもあり、流石に来年は自粛しようと思っています。
そもそも HD600 の上となると「HD800S」になると思いますが、現実的な価格ではないので、今のところ買いたいとも思わない。アンプなども10万円とか平気で超えてくるので、収入が増えるか考え方が変わらない限り、買うことはないでしょう。
そんなこと言って、来年あたり買ってたりして・・・。